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take a breather

第3章 このままもっと

ほんとはね、わかってたんだよ…

俺にとって智くんがどういう存在かなんて…

あの、心臓がいつもと違う鼓動を刻んだ時に

ただ、認めるのが怖かった…

認めたら、智くんを失うことになるかも知れないから。

だったら友達のまま一緒にいられればいいって…そう思ったんだ。


そっか…潤が話してた人もそういうことなんだ…
離れたくないから友人のままでいる…

でも、俺は…

「智くん、ごめんっ…俺っ、もう智くんと一緒にいられないっ」

「翔くん⁉なんで?潤の言うことなんて気にしなくていいいだってば。
俺が翔くんといたいんだよ」

必死に引き留めようとしてくれる智くん。
でも、その優しさが今の俺には辛い…

「もう無理だよ…
近くにいるのに触れられないなんて
俺には耐えられない
俺、Mじゃないもんっ!」

智くんが驚きの表情を見せた。

1年間我慢した潤…凄いよ
何年間も我慢してるその人は本当に凄い

でも、俺には無理だ…

今までは良かった…
智くんといると何故安らげるのか理由がわかってなかったから
一緒に寝られるだけで心が満たされてた

でも、智くんへの気持ちが友達以上のモノだとわかってしまったから…
智くんを今まで以上に求めてしまう

そんな状況で一緒にいなくちゃいけないなんて…
一生蛇の生殺し状態なんて耐えられるわけがない。

だったら、智くんと離れて暮らした方がまだ…

「翔ちゃん…本当に離したくない人と離れるときは、頭で考える前に涙溢れるでしょ?」

「え…」

ニノの声が聴こえ頬に手をやる。

指先が濡れたのを感じ
漸く俺は自分が泣いてることに気が付いた。

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