
take a breather
第25章 P・A・R・A・D・O・X
パンと一緒に飲み物も買おうとしたら
大野先生が『コーヒーで良ければあるよ』と言ってくれたから、飲み物は買わないでおいた
美術室は、結構な人の数だった
大野先生の絵に見入ってる人たちの間をすり抜け、ふたりで準備室へ入る
「凄い!展覧会も大盛況ですね」
「ありがたいことに、午前中からずっとこんな感じだよ」
「やっぱり大野先生の絵は、人の心を惹きつけるんですよ」
「だと良いんだけどね」
大野先生が机をソファーの前に移動させ、コーヒーを入れてくれた
「さ、食べようか」
「はい。いただきます」
焼そばパンを袋から出し、かぶりつく
「うまっ」
「ふふっ、ほんと美味しそうに食べるよね、櫻井くんって」
「だって、ずっと立ちっぱなしでいたからめちゃめちゃお腹すいちゃって」
「お疲れさま
片付けも手伝って貰おうと思ったけど、無理そうかな」
「いえ。お腹は空いたけど、疲れてはないんで大丈夫です」
大野先生と一緒にいられるんだから
例え疲れていたとしても、それは別…
満腹でも、スイーツは別腹と一緒だな
「ありがと、無理しない程度によろしくね
今日の帰り、二宮先生に車で運んで貰う約束しちゃったからさ」
「帰りも頼んだんですね…」
車がなきゃ運べないから仕方ないんだろうけど
仲良くしてるふたりを見たからかな…
心穏やかでいられない
「うん。通り道だからね」
「大野先生の家にも頻繁に行くんですか?」
「え?二宮先生?来ないよ」
「ついでだから頼むって言ってませんでした?」
「うん。だからついででしょ?
通り道だし、学校まで来るんだから」
そっちか…大野先生の家に来てるから『ついで』じゃなくて、学校に来る『ついで』
「ふふっ、なんだ…」
「どうかした?」
「俺、『カズさん』は、大野先生の家に頻繁に来る人で、そのついでに頼んだのかと思ってました」
「あ〜、なるほどね
二宮先生は、家まで来た事はあるけど
部屋に上がった事はないよ」
大野先生の口からハッキリと否定され、ホッとした
大野先生が『コーヒーで良ければあるよ』と言ってくれたから、飲み物は買わないでおいた
美術室は、結構な人の数だった
大野先生の絵に見入ってる人たちの間をすり抜け、ふたりで準備室へ入る
「凄い!展覧会も大盛況ですね」
「ありがたいことに、午前中からずっとこんな感じだよ」
「やっぱり大野先生の絵は、人の心を惹きつけるんですよ」
「だと良いんだけどね」
大野先生が机をソファーの前に移動させ、コーヒーを入れてくれた
「さ、食べようか」
「はい。いただきます」
焼そばパンを袋から出し、かぶりつく
「うまっ」
「ふふっ、ほんと美味しそうに食べるよね、櫻井くんって」
「だって、ずっと立ちっぱなしでいたからめちゃめちゃお腹すいちゃって」
「お疲れさま
片付けも手伝って貰おうと思ったけど、無理そうかな」
「いえ。お腹は空いたけど、疲れてはないんで大丈夫です」
大野先生と一緒にいられるんだから
例え疲れていたとしても、それは別…
満腹でも、スイーツは別腹と一緒だな
「ありがと、無理しない程度によろしくね
今日の帰り、二宮先生に車で運んで貰う約束しちゃったからさ」
「帰りも頼んだんですね…」
車がなきゃ運べないから仕方ないんだろうけど
仲良くしてるふたりを見たからかな…
心穏やかでいられない
「うん。通り道だからね」
「大野先生の家にも頻繁に行くんですか?」
「え?二宮先生?来ないよ」
「ついでだから頼むって言ってませんでした?」
「うん。だからついででしょ?
通り道だし、学校まで来るんだから」
そっちか…大野先生の家に来てるから『ついで』じゃなくて、学校に来る『ついで』
「ふふっ、なんだ…」
「どうかした?」
「俺、『カズさん』は、大野先生の家に頻繁に来る人で、そのついでに頼んだのかと思ってました」
「あ〜、なるほどね
二宮先生は、家まで来た事はあるけど
部屋に上がった事はないよ」
大野先生の口からハッキリと否定され、ホッとした
