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take a breather

第27章 Turning Up

それから3日後
ニノとの旅行の日…そして僕の誕生日でもある11月26日

「えっ⁉︎ちょっと待って!今更何言ってんの?」

待ち合わせの駅でニノを待っていると、そのニノから電話が掛かってきた

このタイミングで電話って時点で嫌な予感はしたんだけど…

『ごめ〜ん。だってさぁ、潤くんがぁ『仕事休みだから日帰り旅行に行こう』って急に誘ってくれたんだもぉん』

「『だもぉん』じゃないよ!
ニノは友情より男を選ぶの⁈
僕との約束の方が先だったじゃん!
自分は好きな人とふたりで旅行に行って、僕にはひとりで旅行に行けって言う訳?」

この前の感動のやり取りはなんだったんだよ!

『智との友情は死ぬまで壊れないけど
潤くんと旅行なんて、最初で最後かも知れないんだから大目に見てよ
その代わり、代打送り込んだから、ね?許して?』

代打って…

「気心知れた人じゃないと楽しめないじゃん…」

『そう?結構楽しめると思うけど?
あっ!ごめん、潤くんが迎えに来た
もう切るね?』

「あっ!ちょっと待ってよ!
代わりの人って誰?ニノっ!」

呼び掛けても既に電話は切られた後だった

「信じられない…」

通話の切れたスマホを見つめていると、ポンと肩を叩かれた

「…え?」

「お待たせしてごめんなさい」

肩を叩いた人物を、見間違いかと確認する

「しょ、くん?」

「はい、そうですけど…
あれ?和さんから連絡なかったですか?」

「あった、けど…翔くんだとは言ってなかったから…」

「俺じゃダメでした?」

翔くんが少し困った様な顔をしたから、慌てて首を横に振る

「ううんっ!ダメじゃない!」

「よかった…」

ホッと息を吐いた翔くん

信じられない…翔くんとふたりで旅行?

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