雪原に咲く椿
第1章 邂逅ーツナガリー
母さんは色白で食も細かった。それでも本だけは特別で、読書漬けだったと。食事も忘れるくらい没頭してしまうため、本から遠ざけられてしまったこともよくあったらしい。そんな風によく物語を語るかのように聞かせてくれたーーもう遠い過去の話だ。
“周りとは馴染めなかったけど。
でもね、本とスーがあったからーー不幸じゃなかった。
誰に否定されても、好きだというものを死ぬまでに見つけなさい。簡単に折れてしまったり変わってしまうのなら、それは好きなものにはならないわ。
ーー覚悟がないから。
スーにはまだ難しいかしら”
遠い夢、だ。
“周りとは馴染めなかったけど。
でもね、本とスーがあったからーー不幸じゃなかった。
誰に否定されても、好きだというものを死ぬまでに見つけなさい。簡単に折れてしまったり変わってしまうのなら、それは好きなものにはならないわ。
ーー覚悟がないから。
スーにはまだ難しいかしら”
遠い夢、だ。