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北アルプスの少女と廃寺

第1章 チーズを欲しがる

「や、やだな〜
僕のこと忘れちゃったんですか?
やなぎですよ」


「おお、さなぎか
すまんすまん。
なるほど、もみじは発酵食品が欲しいのか?
納豆はいいぞぉ」

「やなぎですよ、僕やなぎです」


「納豆は臭いからイヤ」


「もみじちゃん
さけるチーズなら僕持ってるよ」


「体にいいんじゃぞ納豆は」


「三角のがいい」


「三角っていうと、これくらいの?」


「ううん
もっと大きいの」


「ひょっとしてケーキみたいな大きさのチーズ?」


「うん、そう!」



「それは困ったな」

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