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北アルプスの少女と廃寺

第1章 チーズを欲しがる

「えーっと
確かラクレットという名前だったと思うんですけど、そんなチーズありませんか?」


「なに!ネグレクト?」


「…違います
ほら大きい三角のチーズです」


「そんなもんないね」


「やっぱりそんなの売ってないか…」


「じゃブルーチーズありますか?」


「ない」


「…え、じゃあ
大正の北海道十勝スマートチーズうまみ濃厚チェダーブレンドほろうま8個入りはありますか?」



「長いな!
よくかまずに言えたな、おい。ないよ!ないない」


「柳さん不安ー!」



「じゃ何があるんですか?」


「うちはチーかましか扱ってないよ」



「…違ったみたいだ。帰ろうか」


「ちょっと待て!
あんたら何しにきたんだ?さっきから
冷やかしかい?」


「チーかまってチーズじゃないでしょう?呼び込みと違うじゃないですか」


「なんだとコノやろー!
帰れー!
てめぇらに食わすチーズはねぇー!」


「帰ります帰ります」

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