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CAさんの秘密のお仕事

第11章 告白と嘘



奈穂「海外、そうなんだ…」

宏樹『ごめん…』

奈穂「海外にいるなら仕方ないよ、仕事
で行ってるんでしょう?」

宏樹『…』

奈穂「違うの?」

宏樹『…』


何故、海外にいるのか
聞かなければいいのに聞いてしまった


奈穂「宏樹さん…」

宏樹『…妻と、旅行中なんだ』

奈穂「…」

宏樹『だからごめん、もう切らないと…
また電話するから…』

奈穂「あ、待っ」

宏樹『それじゃあ』

奈穂「…」


都合が悪くなったからか
一方的に電話を切られてしまった
かけ直して文句の一つも言いたかったが
そんな勇気もなく…


奈穂「…」


今日もまた我慢するしかなかった


奈穂「…っう」


涙を堪えながら宏樹に渡すつもりだった
チョコレートを口一杯詰め込んだ
詰め込んで詰め込んで
食べ続けた


奈穂「…うぅ、っ…」


そしてこの時、奈穂の中で宏樹に対する
ある感情が芽生え始めていた
憎しみともとれる
感情が…


奈穂「…」


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