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奈穂「私と、結婚してください」

廉「…」


やけくそだった
口先だけで何も出来ないくせに
案の定、廉は困った顔をし黙り込んでし
まった


奈穂「冗談ですよ、言ってみただけです
第一、人気絶頂中に結婚なんて」

廉「わかった」

奈穂「…」

廉「俺と結婚しよう」

奈穂「しません」

廉「！？」


結婚を拒否され廉は驚いた顔をしていた
自分から言い出した事なのに
断るなんて…


廉「でもさっき」

奈穂「私、普通がいいんです」

廉「普通…」

奈穂「旦那さんと子供と手を繋いで堂々
と街を歩きたいんです」

廉「…」

奈穂「誰にも邪魔される事なく、平穏に
暮らしたいんです」

廉「なら…」

奈穂「廉さんには無理です」

廉「…」

奈穂「気づいてるでしょう？今も…」

廉「…あぁ…」

奈穂「…」


帽子を目深に被っていたが
やはり芸能人の雰囲気、オーラは消せず
空港内は騒がしくなり始めていた
理由はもちろん廉

廉見たさに人が集まり始めていた


奈穂「…」

廉「…っ」