CAさんの秘密のお仕事
第16章 一番の願い
一郎「はい康太、あ~ん」
康太「あ~ん」
奈穂「…」
今までは自分が一番だった
夢だったCAになり毎日楽しかった
出来る限り、この仕事を続けていきたい
結婚してからもその気持ちに
変わりはなかった
一郎「康太、美味しいか?」
康太「うん」
一郎「そっかそっか」
奈穂「…」
だけど康太を出産した時
奈穂の中である感情が芽生え始めた
今思えば、それは母性だったのかもしれ
ない
康太を腕に抱いた時
自分の命と引き換えにしても守る
自分の事は二の次、三の次、家族の幸せ
が最優先
奈穂「…」
一郎「奈穂さん?」
奈穂「ご飯食べたら出かけよっか」
一郎「うん」
康太「やった~!!」
奈穂「(笑)」
芸能人と付き合うでもなく
CAとして第一線で働き続けるでもなく
一郎と康太、自分の三人が平凡でも
幸せに暮らす
それが一番の願いだった
(終)