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数年前の事…


和真「またダメだったんだ」

マネージャー「ごめん、プロデューサー
には好評だったんだけど、監督が他の人
採用しちゃって」

和真「仕方ないよ、次もあるから」

マネージャー「ごめんね」

和真「…」


オーディションに落ちるのは慣れていた
ＣＭや舞台、ドラマに映画など
最終選考に残っても
いつも不合格

デビューして２年が経つが
未だ何かの役をもらった事はなかった


和真「明日、１０時だったよね」

マネージャー「くれぐれも寝坊しないよ
うに」

和真「わかってる」

マネージャー「気をつけて帰るのよ」

和真「は～い」

マネージャー「…」


マネージャーと別れ街中を一人歩く和真
変装はせずバレたら大変だったが
無名な自分に気づく人は
誰一人いない


和真「…」


悔しいがこれが現実だった