テキストサイズ

どすけべカメラマンに犯されています!

第11章 華にたかるハエは叩き落とすのみよ。

街中で見かけたその人は、ほくほくとした顔をして、バゲットを腕に抱えていた。

足取り軽く、絹のような髪をたなびかせる。

あまりに美しかった。

宝石のようにきらきら蒼い瞳を輝かせ、自分の隣を通り過ぎていく。


あまりに美しく、目が離せなかった。

同じ人間とは思えない。天から舞い降りた女神のよう。


自分はこんなにも魅了されているのに、その人の瞳にはまるで自分は映っていなくて。




……そんな事は、当たり前なのに、とてもとても不快だった。
その瞳に、自分も映りたいと、そう思ってならなかった。
まるで、何かに取り憑かれたかのように。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ