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友達のままがいい

第4章 (過去)高校生


「ちょっと、寄っていかないか?」

そう言って誘われたのは慶介と立ち寄るいつもの公園だった。
慶介とふたりの秘密基地のような場所に則ちゃんと一緒に行っていいのかと考えている間にも則ちゃんは階段を上っていく。
その後を追うと、私たちがいつも座る場所に則ちゃんも座って景色を眺めていた。
その横に腰を下ろし何も話さず街並みをただ眺めていた。
時間が過ぎ、辺りが夕日に包まれる頃、則ちゃんは話し出した。

「お前…あいつと長いよなぁ…一年ぐらいか??すげ~なぁ。俺なんて長くて半年。短いと数週間…俺の何がいけないんだろうなぁ。自信なくす…」

最近、また彼女と別れたと噂で聞いた。

――――― だからか…

と思う。
いつも彼女と別れると私のもとに戻ってくる。
慶介とつきあっているからそんなにかまってあげられるわけもないのに、何かにつけては話しかけてくる。
3年になって何人目だろうか。
別に軽くつきあってるわけではないけど長く続かない。
もめて別れることもあるが、あっさりと別れることもある。
どちらにしても別れたら私の元に戻ってきて、こうやって話したりする。
今回も同じだと思って何気なく彼につきあうことにした。

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