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若様の性長日記!

第1章 若様の性長日記!

「ウチにはそれなりに権力もある。うるさいところや、おしゃべりなところを黙らせることができるぐらいは、ね。だからゆっくりとプライベートを堪能したい人にとって、大事な会社なんだよ」

…まあ性欲って大事、だよな?

オレにはやっぱりよく理解できない。

多分、淡白なんだろうな。

「で? オレが童貞かどうかなんて、どこら辺で関係あるんだよ?」

「それが一番重要なんだ」

「だからどこがっ!」

「仕事内容のことですよ。若様」

梢さんが社長室に戻って来た。

トレーに二つの湯飲みを持って。

テーブルの前で跪くと、オレと親父の前に湯飲みを置いた。

オレはお茶を一口飲んで、気分を鎮める。

「若様が社長になられるには、この会社の仕事全体を知らなければなりません。一番重要なのは、お客様にどのような相手を当てるかです」

「つまり、適材適所というのものだな?」

「その通りです」

梢さんは立ち上がると、にっこり笑った。

「ここは人材派遣会社。人を見極めなければ、お客様のご要望に応えられることもできません。ゆえに若様には人を見る眼を養ってもらいたいのですわ」

「そう! わたしの言いたいことはそれだよ」

親父が嬉しそうに手を叩く。

…ホントかよ?

「だからお前の女性関係が重要なんだ。全く知らないというのは、欠点にしかならないからな」

事情は分かった。

理解はできたが…納得はできない。

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