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my destiny

第4章 Pandora's box

【翔side】

近づいて額に手を当ててみるが、熱い、という程でもない?

良く分からないので、首の後ろに 手を 差し入れ てみる。


「あ、ちょっと熱あるね。
大丈夫?貴方、風邪引いたんじゃない?」

「そぉかぁ?大丈夫だよ」

「もしかして昨夜の」

「違うから!」


2人で話している間に松本が立ち上がって、自分の荷物から茶色い小瓶を持って来た。

葛根湯だ。


「やっぱりね!」


しゃがんでいた相葉君が、着ていた上着をサッと脱いで智君にかけてくれた。

ほら、弱っている相手だと、お兄ちゃんオーラが出る。


「喉は?痛くない?」


受け取った葛根湯の蓋を外しながら訊くと、智君は飲みたくないのか小さく眉を寄せた。


「……痛くないよ?」

「体調管理!」


ニノの声が咎めるように響くと、貴方は仕方なさそうに体を起こした。

葛根湯を嫌そうに一気飲みして、うぇ~、と眉尻を下げる。

やれやれ、4人がかりだ。

まるで一番下の手のかかる弟みたいな扱い(笑)。

みんな貴方が大好きなんだよ?

俺は3人それぞれに、サンキューな、と視線を送って頷いた。

プライベートでは俺がこの人を独り占めしてる。

本当は、みんなが貴方の世話を焼きたいのに。


「口直しね」


さっき自販機で買ったホットのココアをポケットから取り出して渡す。

嬉しそうに蓋をひねって、もう熱くもないだろうそれに、息を吹きかけて飲む。

子供のような仕草。

この人、猫舌だから癖になってるのか、ざるそばを食べる時にもフーフーするんだ。


「今日どうする?断る?」


収録終わりに、俺と智君、後輩2人の4人で飲む約束があった。


「ん~…」

「先延ばしにはしたくないのね…じゃぁ少し眠りな?」

「うん…、何かオイラ、最近眠いよね?」

「「「「 ………… 」」」」


4人で顔を見合わせる。


「なんか最近、ボーっとしちゃってさぁ…」

「「「「 ………… 」」」」


無言で突っ込む4人の心の声を感じたのか、貴方はまた可笑しそうにふにゃっと笑った。

再び横になって目を閉じるのを見守りながら、俺は触れたいのを我慢する。

一応、仕事場だからね。

寝息が聞こえてきたのを確かめてから、メイクの順番を変更してもらう為、楽屋をあとにした。


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