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my destiny

第7章 花

【智side】

「翔君、何してんの?」

声を掛けたら、物凄くびっくりしてる。
ボチャッと鍋に何か落ちた。

「えっと、卵スープ?作ろうと思って」

翔君は人差し指で頭をかきながら、ちょっとバツが悪そうに答えた。

「…オイラに?」

「うん、まぁ…
あと、卵入れたら出来るよ
味見してくれる?」

「…うん」

答えたけど、懐かしくて、恥ずかしくて。
すごい好きで、そばに行けない。

「智君?」

「うん」

手を伸ばしたいけど、それも変かと思って、スウェットの上着のへりのところを触ってごまかす。

翔君が火を止めて、近づいてきた。





「大丈夫?体、辛い?」

昨夜のことを言ってるのかと思ったら、目を合わせるのが増々恥ずかしくなって顔が熱くなる。
ちゃんと憶えてないけど、そんなに激しくなかったよね?

っていうか、オイラ、してもらうばっかりでマグロだったような…。
次はもっと頑張った方がいいかも。

って、朝から何を考えてんだろ。
オイラ、ちょっとおかしい?

考えてることがバレないように、首だけ横に振って、下を向いた。

「モジモジしちゃって可愛いんだけど、どうしたの?」

言いながら、ふわっと抱きしめてくれる。

「へへっ」

ごまかし笑いをしたら、ギュッてしてくれた。
オイラも、お返しにギュッてする。
いろいろ言いたいのに、いつも言葉にならない。

「おはよう」

「うん、おはよう」

視線を合わせられないでいたら、デコにキスされた。

「今日はレコーディングでしょ?
まだ早いから、シャワー浴びてきな?」

「うん…翔君、あのね…」

「ん?」

「…好き」

「うん、俺も大好き」

またギュッってしてくれる。
顎を取られて上を向いたら、翔君は俺の大好きな顔で嬉しそうに笑ってた。

続く朝のキスは、とても甘かった。






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