my destiny
第12章 陸奥一之宮
【智side】
ドライブも久しぶりだね、って翔君が言ってくれたのに。
ほとんど徹夜明けの状態でお腹が一杯になるくらい食べたら、もう、どうしても起きていられなくって。
車に乗って間もなく、オイラは寝ちゃったみたい。
気がついたら、翔君が神社の駐車場に車を停めたところだった。
「ごめん、オイラ寝てた…」
「気にしなくていいよ
調子悪くない?」
「ん、らいじょぶ……
しょおくん、一人で運転して
さみしくなかった…?」
目を擦りながら言ったら、翔君は笑ってる。
そのまま笑顔が近づいてきた。
「ん…」
しょおくん、今日もイケメンだぁ…。
好き。
オイラは寝ぼけてて、つい、いつもの調子で受け入れてしまう。
「ん…ぁ、ん…
しょ、くん…ン、ウンン?」
舌 を絡ませてる時に、突然我に返って、翔君を押し戻した。
旅先だからって、気が緩み過ぎだ。
誰かに見られたらっ。
慌てて車の外を見渡してみる。
まだ早い時間のせいか、乗用車は俺たちが借りたレンタカーだけで。
観光バスが1台停まってるけど、既に乗客が降りた後らしく、誰も乗ってなかった。
「傷つくなぁ~」
あ。
「ご、ごめんっ
外っ、朝、だから翔君、イケメンだかっ」
焦ってしどろもどろに言ったら、翔君が笑い出した。
「あはは!嘘だよ~
さ、行こう」
「うん。へへっ」
「ね、ここって、どこだっけ?」
翔君に背中を押されながら、濡れた石畳の長い参道を歩く。
まだ紅葉はしてないみたいだけど、古びた石灯篭が並んでるのがいい感じ。
昨夜は雨だったのか、土の匂いが漂ってる。
梢の向こうに青空が見えた。
空気が澄んでいて、気持ちがいい。
「陸奥一之宮、鹽竈(しおがま)神社・志波彦(しわひこ)神社だよ」
「ああ、思い出した
レンタカーのお店の人が教えてくれたところだ」
「安産祈願で有名なんだって」
そっか。そうだった。
「国費で建てられた最後の神社なんだって
摂社とかじゃなくて
同じ境内に二つのお宮があるって珍しいね」
スマホで検索したらしい翔君が、ウンチクを教えてくれる。
冷えた空気を吸い込みつつ、二人で話をしながら歩いていくと、石の大きな鳥居が見えてきた。
ドライブも久しぶりだね、って翔君が言ってくれたのに。
ほとんど徹夜明けの状態でお腹が一杯になるくらい食べたら、もう、どうしても起きていられなくって。
車に乗って間もなく、オイラは寝ちゃったみたい。
気がついたら、翔君が神社の駐車場に車を停めたところだった。
「ごめん、オイラ寝てた…」
「気にしなくていいよ
調子悪くない?」
「ん、らいじょぶ……
しょおくん、一人で運転して
さみしくなかった…?」
目を擦りながら言ったら、翔君は笑ってる。
そのまま笑顔が近づいてきた。
「ん…」
しょおくん、今日もイケメンだぁ…。
好き。
オイラは寝ぼけてて、つい、いつもの調子で受け入れてしまう。
「ん…ぁ、ん…
しょ、くん…ン、ウンン?」
舌 を絡ませてる時に、突然我に返って、翔君を押し戻した。
旅先だからって、気が緩み過ぎだ。
誰かに見られたらっ。
慌てて車の外を見渡してみる。
まだ早い時間のせいか、乗用車は俺たちが借りたレンタカーだけで。
観光バスが1台停まってるけど、既に乗客が降りた後らしく、誰も乗ってなかった。
「傷つくなぁ~」
あ。
「ご、ごめんっ
外っ、朝、だから翔君、イケメンだかっ」
焦ってしどろもどろに言ったら、翔君が笑い出した。
「あはは!嘘だよ~
さ、行こう」
「うん。へへっ」
「ね、ここって、どこだっけ?」
翔君に背中を押されながら、濡れた石畳の長い参道を歩く。
まだ紅葉はしてないみたいだけど、古びた石灯篭が並んでるのがいい感じ。
昨夜は雨だったのか、土の匂いが漂ってる。
梢の向こうに青空が見えた。
空気が澄んでいて、気持ちがいい。
「陸奥一之宮、鹽竈(しおがま)神社・志波彦(しわひこ)神社だよ」
「ああ、思い出した
レンタカーのお店の人が教えてくれたところだ」
「安産祈願で有名なんだって」
そっか。そうだった。
「国費で建てられた最後の神社なんだって
摂社とかじゃなくて
同じ境内に二つのお宮があるって珍しいね」
スマホで検索したらしい翔君が、ウンチクを教えてくれる。
冷えた空気を吸い込みつつ、二人で話をしながら歩いていくと、石の大きな鳥居が見えてきた。