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でも、愛してる 「改訂版」

第1章 でも、愛してる 「改訂版」

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 「それでね…
  あのね…
  ゆっくりゆっくり動きながら、
  おっぱいや耳にキスしてくるの。
  ひどい人」 
 「おいおい。
  ひどい人と言いながら、
  顔が赤くなっているよ」
 「だって~」
 「あれっ。
  萌絵。
  泣いているの?」
 「泣いてないわ」
 「でも、涙が出ているよ」
 「思い出したら、
  たまらなくなってきちゃったの…」
「思い出しただけで?
  よっぽど、
  気持ちよくなるんだね」
 「うん。
  もう、どうしていいかわからなくなってしまうくらい…」
 「うわぁー!」
 「萌絵、
  この、幸せ者!」
 「それでね、
  彼がね、
  わたしが、そんなに気持ちよくなれるのは、
  わたしたちは、
  ほんとに相性がいいんだろうねって言うの」
 「萌絵、
  そんな人、めったにいないわよ」
 「あたしも、そう思うよ」
「わたしも、そう思っているわ」
 「あっちゃあー、
  惚気ているよ、
  このひと!」



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 「だけど、
  そうとう年上なんだって?」
 「うん。
  71才」
 「えーっ、そうなんだ。
  おじいちゃんじゃないの」
 「でも、とっても元気だし、
  すごく、若くみえるの」
 「萌絵を、
  それだけ気持ちよくしてくれるんだもんね」
 「でも、そんなに年がちがったら、
  問題は多いわね」
 「それは、わかっているわ」
 「萌絵は、それでいいの?」
 「うん。
  いまはね。
  わたしも気になるし、
  いろいろ考えるけど、
  でも、わたし、彼を愛してるの」
 「そっか。
  愛してるのか」
 「うん。
  彼は、わたしの好きなところが、
  いっぱいあるの」
 「どんなところが好きなの?」
 「あのね、
  わたしがなにか言うと、
  ほんとに的確に応えてくれるの。」
 「ほう」
 「そうなんだ」
 「そのときの、
  彼の考え方が、
  わたしの考え方と同じなの」
 「ただ、合わせているというんじゃなくて?」
 「1回や2回ならそう思うかもしれないけど、
  いつもそうなのよ」
 「考え方が合うって、
  大事だものね」

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