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陽咲~ひなさく~

第2章 向

放課後になり、俺は咲桜を迎えにクラスへと向かう。
その途中でも、
『山崎くん〜〜♪ 』『陽向くん! 』『こっちみて〜! 』と、うるせぇ。俺はそんな声を全部無視し、咲桜のクラスに着いた。

ドアをガラッと開けると、皆が注目した。
その中に咲桜もいて、「咲桜」と呼ぶと
「陽向、来てくれたの?」別に迎えこなくてもいいのに。といいつつ俺の元へくる咲桜
「今日俺ん家寄ってくんだろ?」迎えきた。と言うと咲桜のクラスであろう女が「中野さんと山崎くんってつきあってるんですか…?」と聞いてきた。そんな質問にくだらねぇ。と思いつつ、「つきあっ…「付き合ってないよ!私たちは幼なじみ」」と俺が答えるより先にキッパリそう告げた。
それを聞いていたであろう周りの子たちが急にざわめきだし、『付き合ってないんだ!じゃあ、私たちにもチャンスあるってこと?! 』と言ってるのを遠目に聞きつつ「帰るぞ。」と咲桜の手を引き歩き出す。

咲桜は一生懸命俺の歩幅についてきて、門から出てしばらくして速度を落とすと

「ちょ…もぅ!なんでそんな早く歩くの!キ、キツイ」
と息を切らす咲桜
「ムカつく」
俺がそういうと、咲桜は「え?」と聞き返した。
「ムカつくんだよ。そんなに咲桜は幼なじみでいたいのか?」

戸惑う咲桜
「そんなに俺と付き合ってるって思われたくないのか?」あーー、何言ってんだ、俺。

「もう俺、お前と幼なじみ辞めるわ。」

「え…ちょっと、陽向!待って!」というのを遠目に咲桜を置いて歩き出す。

家に着き、部屋に入るなりドアの前でしゃがみこみため息をつく。
何言ってんだ、何言ってんだよ、俺。今まで作り上げてきたやつを壊してどうするんだよ。幼なじみ?いいじゃねぇかよ。咲桜とそれでずっと一緒にいられるなら。

でも、俺も限界。咲桜、咲桜…俺に気持ちがむくことはありますか?

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