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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第3章 過去

『――貴女の願いは叶うのでしょうか? 僕はいつか、救われるのでしょうか。
 とても、そんな気はしない。

 この恨みが晴れるとは思えない。これが必然であるとすれば、私はこの必然を与えたもの達が憎くて憎くて仕方ない。

 殺してやりたいとさえ思う』

 ――どす黒い感情が鉛のように重いものが流れ込み、行動を、思考を支配していく。

 ――憎い、憎い。

 憎くて、仕方がないのだ。と。

 そして脳裏に霞むのは、あの時見た母の顔――。

『的良様、貴女に恨みはない。だが、彼女だけは――。
 彼女だけは許せない――』

 そのまま初音は私の部屋のドアを開けた。

 ベッドで眠る私が見える。その顔と――。


 母の顔が重なった。

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