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矢野「いらっしゃいませ」

男性「…」

矢野「お客様？」

男性「…」


そのお客さんは少し変わっていた


男性「…」

矢野「あの…」


全身黒で統一し
真っ黒なサングラスをかけ
焦点が合わないし話しかけても無反応

大丈夫だろうか…


男性「…」

矢野「あの、聞こえてますか？」

男性「男に用はない」

矢野「！！」


一応、耳は聞こえてはいるようだ…


男性「…」

矢野「…失礼しました…」

乃愛「福田様、お久しぶりです」

福田「女の声、その声は乃愛か！？乃愛
なんだな」

乃愛「乃愛ですよ」

福田「早く、早くこっちに来い」

乃愛「はいっ」

矢野「…」


手招きをし
乃愛を呼び寄せると
明らかに乃愛の胸めがけ抱きついた

事故じゃない
絶対、わざとなのに…


福田「この匂い、この感触、間違いない
乃愛だ」

乃愛「ふふっ、私ですよ」

矢野「…」


乃愛は気にせず福田を抱きしめた


矢野「…っ」