
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第25章 おまけ②奥山心中
“鬼灯旅館”から車で30分のところに“紫陽花旅館(あじさいりょかん)”が現れた。
こちらも…なかなか年期の入った旅館で、そこの女将さんと話しもできた。
「1年前に大学生――――の男女?
……いいえ…見たことございません。
ここら辺では、私どもの旅館と“鬼灯”さん…それと“鈴蘭館(すずらんかん)”さんの3旅館がありますが…
そのような方を見かけた事はございませんね」
“紫陽花旅館”の女将さんは松園先輩の写真と繋の写真をみて首を横に振った。
「では、1年…もしくはそれよりは前に…ここら辺で変わったことはありませんか?」
俺は女将さんに違う視点から聞いてみた。
「変わった事…ですか?」
女将さんは少し考えて――――…
「国道沿いの山を切り開き、大型のショッピングセンターが出来るって決まったのよ。
そのショッピングセンターが出来たらここら辺の温泉も有名になるかも!って…だがら、仲居の求人を増やした事ぐらいかしら?」
――――ほう…
