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Happiness day

第3章 BRAVE

「ねぇ観て観て智くんっ!
今のがね、ジャッカルって言って…」

翔がテレビ画面を観ながら
興奮気味に俺の肩をポンポンと叩く

もう何度も観たし、なんなら何度も聞いてますけど?

ラグビーワールドカップが始まってから
我が家では毎晩、ラグビーの試合観戦が行われてる

翔は現地取材で生の試合を観てるから
我が家で観るのはもちろん録画…

しかも同じ試合を何度も観せられ
プレーの解説を聞かされる

それだけなら俺もまだ我慢できるさ

翔の影響で観始まったけど
観てみるとなかなかに面白いものだったから

俺が許せないのはこの後…

「はぁ…かっこいいよねぇ」

溜息混じりでうっとりとテレビを見詰める翔…

恋人の前でよくもそんな表情でそんな言葉吐けるな?

「何度押し倒されてもさぁ
すぐに立ち上がって…
凄いタフだよね、みんな…
俺もあんなスタミナ付けられたらなぁ、って…へっ⁈智くん⁈」

ソファーの上に翔を押し倒した

「そんなに押し倒されてスタミナ付けたいなら協力してやるよ」

「え?なに?…あっ!やだっ!」

突然のことに驚く翔
シャツを捲り上げると抵抗の声を上げる

「ヤダじゃねえよ!毎晩毎晩他の男を褒めやがって!
隣で聞いてる俺の身にもなれってぇの!」

「えっ…あっ、やぁ…んっ…さとっ…」

いきなり胸の粒に吸い付いてやった

「今日はお前のスタミナ切れてもノーサイドにしてやらねぇからな?
覚悟しとけよ?」

翔がうっとりと俺を見上げる

「智くん…かっこいい…」

キスをキックオフの合図に
長い長い試合が始まった


《end》

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