テキストサイズ

Happiness day

第15章 WISH

ふたりきりになった静かな楽屋

櫻「あのさ…」

翔ちゃんが遠慮気味に話し出す

大「ん?」

櫻「改めて聞くね…
兄さんが欲しいものって、なに?」

大「俺が欲しいもの…」

櫻「うん…1番欲しいもの…
俺があげられるモノなら何でもいいよ?」

言っても大丈夫かな

ニノのあの言葉…

『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』

あの言葉の意味は、俺の恋路を応援してくれてるもの?

それとも…

大「翔ちゃん…」

櫻「ん?なに?」

大「だから、翔ちゃんが欲しい」

ちょっと驚いた顔をした翔ちゃん
そのあと真顔に戻って暫く考え込むと、訝しむように俺に問い返す

櫻「……それは運転手として?」

大「ちげぇしっ!
あれは冗談に決まってるだろ」

櫻「じゃあどういうこと?」

大「そのまんまだよ
翔ちゃんの事が好きだから、翔ちゃんが欲しいの」

そう告げた瞬間、翔ちゃんの顔が真っ赤に染まった

ニノはあの時、翔ちゃんにアドバイスしたんだ
俺の欲しいモノを本人に聞けって

おそらく俺の気持ちに気付いてるニノが
敢えて、翔ちゃんに俺の欲しいモノを聞かせた理由はただひとつ…

俺の想いを聞いた翔ちゃんが、どう返事を返すかわかっているから

櫻「あ…え、と…こんな俺で良ければ、どうぞ…」

顔を紅く染めたままの翔ちゃんをそっと抱きしめる

大「ありがとう、貰うね?」

翔ちゃんは腕の中で恥ずかしそうに頷いた

サンキュー、ニノ

お前の助言のおかげで、貰うことが出来たよ

俺がずっと手に入れたいと願っていたモノを。


《おわり♡》

ストーリーメニュー

TOPTOPへ