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Happiness day

第1章 いつまでも

智くんの人生の足枷になりたくない…
そうならないように自分の望みは伝えて来なかった
いや伝える必要がなかった

だって本当に十分なんだよ
貴方の傍にいられるだけで…

「それとね…これ、同居の申し込みじゃなくて
一応プロポーズのつもりなんだよね」

照れ臭そうに笑う智くん

「プロ、ポーズ…?」

「そう…プロポーズ。
入籍は流石に無理だけど
いつまでも俺と一緒にいてください、って事」

「う、そ…」

「嘘でこんな事言えないって…」

貴方に一番近い場所で貴方を見ていられるだけで十分幸せなのに

それ以上を望んでもいいの?

「返事…貰えるかな?」

緊張した智くんの顔が段々と滲んで見えてきた

「…はい…よろしくお願いします」

ホッと息を吐いた智くん

握られていた手が引かれ
智くんの腕の中…

「翔くん…愛してるよ」

照れ屋な貴方からはじめて言われた愛の言葉…

「うん。俺も愛してる…」

俺に縛り付けたくなくて今まで言って来なかった言葉…


これからは言っていいんだね

俺の想いをベッドの上で伝える…

「さ、とし くっ…
もっと…もっと愛して…」

「翔…愛してるよ…」

互いの左手の薬指に光る指輪…

こんな物まで用意してくれてるなんて
俺 本当に貴方に愛されてるんだね

今まで気付かなくてごめんなさい…


《おわり》


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