美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第2章 私のお兄ちゃんは過保護なんです
「ーーねぇ、お兄ちゃん」
目の前でお弁当を食べているお兄ちゃんは、私の声に反応して顔を上げた。
「昨日のって……告白だったのかな?」
昨日の出来事をふと思い出した私は、唐突にそう質問してみる。
答えを求めてお兄ちゃんを見つめていると、隣からカシャンと何かが落ちる音がした。
隣に視線を移すと、ひぃくんが固まってプルプルと震えている。
その足元に転がるお箸。
あぁ……ひぃくんがお箸を落とした音だったんだ。
呑気にそんな事を思った瞬間、ひぃくんが急に私の方を向いて口を開いた。
「花音! ……っ。お嫁に行くなんて言わないで!」
ガシッと私の肩を掴んだひぃくんは、そう言うと泣きそうな顔をして私の身体を揺らした。
相変わらずひぃくんの思考がわからない……。
私はお嫁に行くなんて一言も言っていないのだ。
何をどう聞き間違えたらそうなるの……?
もう放っとこう。
私にまとわりつくひぃくんをそのままに、私はもう一度お兄ちゃんを見た。
「告白じゃないよ」
ニコリと微笑むお兄ちゃん。
なんだ……やっぱり告白じゃなかったんだ……。
ちょっぴり残念に思う。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える