
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第3章 君はやっぱり変でした
その後お互いの連絡先を交換した私達は、そのまま廊下で話していた。
お兄ちゃんは危ないって言ってたけど、今目の前で話している山崎くんは全然危ない人には見えない。
「花音ちゃん、俺の事は斗真って呼んでくれると嬉しいな」
「うん、わかった。斗真くん」
私がそう言うと、嬉しそうに微笑む斗真くん。
お兄ちゃん、斗真くん凄くいい人だよ……。
そんな事を考えていると、突然後ろから肩を掴まれて私の身体が反転させられる。
ーーー?!
何事かと驚いていると、目の前にはいつの間に来たのかひぃくんの姿が。
あぁ……
何だかまたデジャヴが……。
不安が頭をよぎった時、目の前のひぃくんが口を開いた。
「花音!初めては……っ花音の初めては俺に捧げてくれたのに……っ!」
大きな声でそう言ったひぃくんは、瞳を潤ませてメソメソと泣き出す。
泣きたいのは私だよひぃくん……。
ひぃくんの放った言葉に騒然とする廊下。
あぁ……
今すぐこの場から消えたい……。
私の腰あたりに抱きついてメソメソとするひぃくん。
私はそのつむじを見つめながら呆然と立ち尽くしたーー。
