
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第19章 ★君とハロウィンパーティー
「仮装何にしようかなー」
「お姫様にしたら?去年着てたやつ」
「えー去年と同じは嫌だよー」
教室で彩奈と二人で衣装について話す私。
「でも今年は王子様がいるじゃない。好きでしょ? 王子様」
「うん……いいよねぇ、白馬に乗った王子様」
王子様を想像して、キラキラと瞳を輝かせる。
何を隠そう、子供の頃から白馬に乗った王子様に憧れ続けている私。
現実にはいるわけないとわかっていても、やっぱり憧れてしまう。
「ーー花音」
いきなり後ろから抱きつかれ、驚いて振り返ると突然頬にキスをされる。
「ひ、ひぃくん……」
キスをされた頬をおさえると、一気に真っ赤になる私の顔。
「……それでよく翔《かける》さんにバレないね」
呆れた顔で私達を見る彩奈。
「ねぇ、響さん。花音がね、白馬に乗った王子様が見たいんだって。ハロウィンで仮装してくれる?」
「うん、いいよー」
彩奈の言葉にすんなりと頷いたひぃくん。
「えっ?! ……本当に?! 本当にしてくれるの?!」
「うん。花音が望むなら何にでもなってあげるよー」
そう言って優しく微笑んでくれるひぃくん。
……なんて優しいんだろう。
私、絶対に今年もお姫様やる。
「じゃあ私お姫様になる。ひぃくんとペア仮装だよ」
私が笑顔でそう伝えると、ひぃくんは私を抱きしめて「花音可愛いー」とスリスリと頬を寄せる。
今年は初めてひぃくんとペア仮装ができる。
そう思うとニヤケ顔が止まらない。
シラけた顔をする彩奈の前で、私はひぃくんに抱きしめられたままずっとニコニコと笑っていたーー。
