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風に吹かれて

第5章 その佇まい

声の大きい人が苦手である。
物理的な意味でも、自己主張という意味でも。

例えば日曜の朝にやっている、政治系の時事ネタをテーマに出演者が意見を出し合う番組。
ああいうのは非常に苦手。

好きな人には申し訳ないのだが、接してしまうと気力体力共に削がれて、非常に消耗する。
ので、極力見ないし近づかない。



なんだけど。
職場とか人間関係を選べない場所だと、そうも言っていられない。

一応年齢だけは立派な大人なので、当たり障りなく、場を乱さないように、そこに居ない振りをしてやり過ごしている。

決して嫌いではないし、否定するつもりもないんだけれども。

どうしていいか、分からなくなるんだよね。



こういう社会性も協調性もない破綻した人間なのに。
何が良いのか、声の大きい人に好かれてしまうことがあって。
無視してくれたらいいのに、と思う。

好かれているのか、からまれているのか。
どうか、そんなに問い詰めないで欲しい。

あなたは私のことを好きか?と圧をかけないで。
嫌っていないから。



あなたは私のことが好きじゃないの?
どうして同意してくれないの?
わかる、と言ってくれないの?

私の何が気に入らない?
私が何か間違っているの?
何かおかしい?

私は正しいでしょう?
私は良い人間でしょう?
どうして見てくれないの?



気持ちが解り過ぎて困る。



それは、他人から与えられるものじゃない。
他人に求めるものじゃない。

自分で見つけなくては、結局は満たされないんだよ。

違っていても、いいじゃないですか。
私は、私とは違うあなたを素晴らしいと思っています。



経験上、そう言って伝わった例はない。
ケンカを売ってると思われて攻撃されるか、生霊を飛ばされるのが落ちである。

だから私は今日も居ない振りをする。

コミュニケーションの有り様は実に多彩で。
大きな声を上げて主張を叫ばなくても、ただ立っているだけで周囲にヒラメキを与える人も居る。

本人は注目されることが苦手で、一人の時間が好きな人。
彼を見ているだけで腑に落ちて、ああそうか、って、わかること、沢山ある。

今日も居てくれて、ありがとう。



FNSを見ながら書いたから取り留めないや。
何が言いたいのか?
要は彼が大好きだという話(笑)。


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