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風に吹かれて

第11章 5×20オーラス④

11月。
札幌へ遠征しての初参戦。
無我夢中で過ぎた3時間。

そこで、初めて彼が踊る姿を生で見た。

あくまで私個人の想いだけど。
彼は絶対にステージに帰って来る。
そう思った。



個人の想いだから許して欲しい。
同意を得られなくても構わない。
勿論、彼を縛るつもりもない。
彼の選択を尊重する。

ただ、彼だけの、唯一無二の表現を、必ず見せてくれると信じている。



年齢に見合った表現の仕方、と書いた。
日本は年齢にとてもこだわる国だから、いつまでもアイドルのパフォーマンスから抜けられないのは、痛い、という世間の評価はあるかもしれない。

ただ、言いたいのはそこではなく。
その年齢(実年齢ではなく心身の成熟度)でしか踊れない作品があるから。
時期は大事だということ。

自分のイメージが肉体と直結する状態で踊れる期間は限られている。
時期を逃さずに、本当にやりたいことをやって欲しい。
展覧会に行って、ライブに参戦して、心からそう思った(だから遅いって)。

あのギエムだって、トウシューズに別れを告げなければならなかったし。
アスリートは皆、口をそろえて言っている。

どんなに辞めたくなったとしても続けなさい。
いずれ、やりたいと思っても肉体がついてこなくなるのだから、って。



赤君の番組でリーダー論の話をした時に、たるんじゃいけない、と言っていた。

ツアー中にも何度も、休止中も体型を維持する、って。
想ってて、って言ってくれた。

戻って来るつもりがない人が、そんなこと言うだろうか。

否、言わない(反語)。



実の所、グループに戻るかどうか、は、私にはそこまでの確信はない。

いずれにしても、戻って来た時に出来ることは何か。

「お帰り、待ってたよ」

これは、ファンだけに許された言葉。

配偶者も、恋人も差し置いて。
言ってもいいのは、待っていたファンだけ。
きっとファンに言われるのが一番嬉しいと思う。

まだ休止に入っていないのに、今からそんなことを考えるのは不謹慎だけど。

休止発表後のツアー再開が不安で怖かったように。
復帰最初のステージだって同じだろう。

その時に『正直、怖かった』ってまた言わせる?
私達にしか言えない言葉があるのに。

「お帰り~、待ってたよ~」って。

泣き笑いで言ってあげたい。

私はそう思っている。

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