テキストサイズ

風に吹かれて

第13章 5×20オーラス総括

WSで流れた彼の挨拶のシーンだけを見れば。
活動休止の決断に至るまでの葛藤や、発表後の重責ばかりがクローズアップされて、ある意味、彼が可哀相に思えるかもしれない。

ファンはどうしても推しを甘やかしたいし、守りたい。
辛かったね、可哀相に、と言って抱きしめたくなってしまう。

けれど青担なら、皆知っている筈。
彼は、そんなに弱い人じゃない。

必要以上に強がることもしないし、怯えを隠すためにうそぶいたりもしない。

不安だった自分の心情を晒したのは、支えてくれたファンに今の気持ちを伝えたかったから。
決断を受け入れてくれたことに対し、シンプルに感謝を述べたかったのだと思う。
綺麗な涙だった。



『ほんと、みんながね
ほんとに優しい、目で、僕らを見ててくれたから
ほんとに優しい顔で…
見守ってくれてたから
僕は今日最後まで、やり切る事できました』



これを聴いて心底、良かったと思った。
彼に、ファン(青担だけでなく)の温かい想い、祈りが届いていたことがわかって、本当に良かった。



会見以降、あちこちで、酷い言葉を沢山目にした。

SNSもチェックしている彼らの目に、触れる可能性を十分知っていて。
むしろ言い逃げで傷つけることが出来る絶好のチャンスだと、あえて。
注目しろとばかりに。

自分だけは安全な場所から、攻撃する意図をもって吐き出される、未熟で真っ黒なエゴと呪い。

どうしても目立って取り上げられてしまうそれらが、よりによってファンから発信されているなんて。

受け取る彼らに、どれ程の痛みを与えるのだろうかと、気が気ではなかった。

それでも、怨嗟を凌駕して彼らに届く光があるのだ。
支え、背中を押す柔らかい風が。



雲の上の存在である彼らに、直接何かしてもらえるわけではない。
重々解っていて、ただ、祈るファンの気持ち。

健康で、人生を楽しんで暮らして欲しい。
作りものでなく、心から笑える時間を過ごして欲しい。
打ち込める仕事に出会って、やりがいを感じて。
余暇も寛いで過ごしていられますように。
プライベートでも、愛に満たされていますように。

祈り、願う、柔らかなエールを、あの空間で直に感じられるからこそ、彼らはブレない。



私たちは無力じゃない。

まだ終わりじゃないし、出来ることがある。

この気持ちをもって、5×20自分の覚書とする。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ