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でも、愛している

第1章 でも、愛している

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 「それが
  先生だと
  いうんですか?」
 「そうです
  私は
  信頼できませんか?」
 「いい人だとは
  思っていますが…」
 「私は
  手嶋さんを第一にして
  ほんとに手嶋さんを
  大切にします
  私は
  手嶋さんが
  気持ちよくなる
  セックスをします
  と言ったはずなんですが?」
 「聞いてないように
  思いますよ」
 「では
  いま言いました」
 「先生
  なんか
  ずるいわ」
 わたしは、思わず、笑ってしまました。
 もっともらしく、「理論」を話しているけど、わたしが好きだから、そんな「理論だて」をして、わたしを、説得しようとしているんだなと思い、そんな清さんを、かわいいと思ってしまいました。
 もちろん、わたしにだって、性欲はあります。
 わたしにだって、と言うのはおかしいのですが。ドラマや小説の、ちょっとエッチなラブシーンでは、ドキドキしますし、いいなぁと思います。
 いままでセックスをしなかったのは、清さんの言う、
 「してもいい人」
 が身近にいなかった、ということもあるのでしょう。
 たぶん…
 いわゆる、おつきあいをしたこともありますが、その人とは、セックスをするというような感じではありませんでした。
 してみたいという気持ちが、なかったとは言いませんが…
 わたしの頭の中で、清さんの二つの言葉が、雷のように轟いてきました。
 「手嶋さんを
  第一にします」
 「手嶋さんが
  気持ちよくなる
  セックスをします」
 という言葉が。
 なかでも、
 「手嶋さんが
  気持ちよくなる
  セックスをします」
 という言葉は、わたしの性欲に火をつけてしまいました。

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