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介護のお仕事

第3章 排泄介助 ゆうこ

食事の時間が終ると僕らも昼休憩である。介護員が集まって食事をしている。

「小林君は、ここへどうぞ!」

40代後半くらいの女性が席へ促す。この施設のチーフだ。見渡すと、彩乃もさやかも普通に談笑しながら食事をしている。ただ、雅也のことが気になるのか、たまに二人とは視線が合う。

休憩が終ると指示された部屋へ行ってみる。そこではオムツ交換をしており、まだ途中のようだ。

オムツ交換をしている後ろから、介護員に声をかける。

「実習の小林ですが、次はここで良いですか?」

「ここでいいですよ!直ぐに予防着着てここへ来て下さい!」と厳しい口調でその介護員は言う。雅也は、

あ!この人、さっき見た人だ!車イスの男の利用者さんにお尻を触られ、

「ちょっと、何してるんですか!止めてください!」

と、厳しい口調で利用者さんに怒ってた介護員だ。

雅也は、怖いな、テキパキやらないと怒られそう。と思いながら、支度をしてその介護員の所に行った。

介護員は、岸田ゆうこと名乗り、早速教えだした。

「理屈は分かってると思うから、先ず私がするところを見ていてください!次は実際にやってもらいます! 」

1回見せてもらうと、実に手際がいい。気が付くともう終わっている。

「どうですか?だいたい分かりましたか?」

と言われるが、口調の厳しさもあって緊張する。1回じゃ分からない。でもやるしかない、やってみるか。

「はい、やってみます!」と言って、次の利用者さんの所へ移動し、布団をめくると

「あー、ダメダメ!いきなり布団めくったらビックリするでしょ!先ずは挨拶して、布団めくることを伝えて、それからですよ!」

いろいろとダメ出しされ、一人終るのにいったいどれくらいかかったんだってくらい時間がかかってしまった。

凹んでいると、

「初日だからしょうがないですよ!」と言うも口調は厳しい。

「一応これで終わりだけど、この利用者さんだけここでポータルトイレに座ってもらうから、あなたも見てて!」

ゆうこが、寝ている男の利用者さんを布団から起こそうとすると、利用者さんが胸を触った。

「ちょっと、何するんですか!」

と怒った口調でゆうこが言う。よく見るとこの利用者さんは、さっきもゆうこのお尻を触って怒られてた人だ。

雅也は、困ったもんだなー。女性の介護員さんも大変だ!と思うのだった。

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