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ヌードモデルは揺れる

第2章 裸にされました

その夜。

彼のベッドで必然性のある裸にされて、屈曲されて、体の芯まで愛し尽くされたあと、彼に和田さんの話をした。
彼に仕事の話をするのは珍しかった。

衣装としていったん着た服を脱がされたことは──ないでもない。

「バイオリンを弾く女性」として描がかれるために、ドレスを着て、本物のバイオリンを持ったことがあった。

画家の中学生の娘(楽器の持ち主)の指導で、私は生まれて初めてバイオリンを構えた。

しかし、線をうまくつかめない画家は、いったんドレスを脱いでほしいと要請した。

中学生の娘は、言われるままに完全な裸になった私に目を丸くしていた。

──服着てる絵ばかり描いてるから安心してたのに、みんなハダカにしてたの!?

あとで娘から質(ただ)されて、なんと答えればいいか悩んだという。
ちなみにその人のヌード要請率は3割ぐらいだったらしい。
上級者だと思う。

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