
邪恋の爪痕と片恋の彼
第2章 ペアグラス
俺は見上げるその人間が分からなくなる…
“真壁 千寿(まかべ せんじ)”
会社では、俺と野田の2つ下の後輩。
整った顔立ちやスタイルは女性社員から評判で影で、“英国紳士”と呼ばれている…とか、いないとか?
そんな、真壁はいつも誰かと付き合っていて――――…彼女の存在がチラチラ見え隠れしていたのは…事実。
飲みに誘われても「すみません、今日は彼女とデートです」と、断っている所を何度か見かけていた。
そんな――――ザ、モテモテイケメンが…
「俺に――――告白?」
「はい。“好きです、付き合ってください”と、何度も言いました」
「////え――――…えっと…」
「フッ…いいですよ…。失恋したばかりの境井さんを急かすつもりはありません。ゆっくりでいいですから、ちょっとは俺のことも意識してください。って、すでにSEX してるんで――――嫌でも意識しちゃうと思いますけど!」
「////なっ――――…!お前…」
「俺に興味なくても――――…体から振り向かせる…ってのも…いいかも知れませんね」
