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邪恋の爪痕と片恋の彼

第1章 笑えない話し…


「俺も…結構――――飲んだんで…このまま帰ります…連休を二日酔いで潰したくないですからね」


俺の肩を支えながらタクシーを捕まえる真壁は三次会に向かう連中に視線を向けた。


「――――俺と境井(さかい)さん、ここでリタイアで~す!ついでに送って行くので、お疲れ様でした~!」


真壁はこちらを気にしている女子と先輩たちに声をかけちょうど来たタクシーに俺と共に乗り込んだ…。



「いいのか…?あの女子……お前狙いの子たちじゃん……もったいねぇ…」


「――――勿体なくないですよ」


残念そうにタクシーを見送る女子達の顔が思い出される――――…。


「なんか、わりぃ…」


「いいえ――――…」


こう言う…さりげない気遣いが女子に持てるんだろうなぁ…


俺は少し気持ち悪さが残る口もとを押さえた。


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