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第22章 最後の戦い

 二人の言い合いは、しばらく長引きそうです。その間、エカタバガン軍は動くことができないはずです。
 コーリーは、自分というたった一人の力で――いや美しさで――エカタバガン軍の何万という軍を足止めすることに成功したのです。
 ピスティというたった一人の少年に愛されたレナと、何万ものエカタバガン軍の動きを封じた自分とでは、どちらが美しいでしょうか。
 いや、どちらが、より男を惑わすことができるでしょうか。
 しかも、この戦いでアウィーコート王国が勝てば、自分の美しさが永遠に語り継がれることになるかもしれないのです。
 そう考えると、失いつつあった自信が、コーリーの中でみるみる蘇っていったのでした。

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