❇️片暉の残照❇️
第2章 ハジロ公爵邸
その後――――…
ハジロ公爵の馬車に乗りゴルドガ国の西にあるハジロ領までやって来た。
馬車はハジロ公爵の執事であるジムさんが運転し、2日かけて領土内にある屋敷に到着した。
野営慣れしているのか、ジムさんはテキパキと食事の準備をしたり寝床を準備したりと……彼の執事能力の高さに驚いていた。
移動中は、ゴルドガル国内の事や内外の情勢、ハジロ領の事を聞き少しだが知識を入れた。
領土内の屋敷に着くと、沢山の人がハジロ公爵を出迎え――――…一緒に馬車から降りた私を食い入るように見ていた。
私はペコリと頭を下げながら…ハジロ公爵の後ろをビクビクしながら着いていく。
私は顔を見られたくなく…頭巾を深々と被る。
一応、外出用の頭巾だからみすぼらしくはないと思うが……
きっちりと揃った服装の方々には滑稽に見えたかもしれない。