
❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「いいえ――――そういった言い伝え的植物はニホノ領土には沢山あって!もっと教えてください!」
私は、手にしたノートを握りしめシュン様に頭を下げた!
「もちろんです!“れっかじんぞ”の件で、王都になしばらく滞在しますので、わたくしで良ければ!」
まだ、勉強したりない私は嬉しくて跳び跳ねた!
もっと、面白いハーブがある――――…そう思うとウキウキする!
と――――…なにやら、バタバタと表が騒がしい…。
「所長!?――――サンドラ様が…いらっしゃっているのですが…」
「ああ、来ると連絡はもらっていたが…どうした?」
研究所の人がリンデル所長に表の騒ぎの事を告げると、シュン様もリンデル所長も慌てた様子で表に向かう!
「――――サンドラ…様…って…」
「ジルベルト様のご子息でございます」
ニコルに耳打ちされて、あの冷たい視線を向けた銀髪の中年男性を思い出す!
