
❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「サンドラ様!婚約の件は確認して参りますから!
近いうちに――――今日は失礼いたします!」
入り口では、悔しそうな…何とも言えない顔のインギル様がドレスをなびかせ出ていった。
「ふぅ~……相変わらず気性の激しいお嬢様だ…」
リンデル所長は彼女の馬車が走り去るのを見送り、頭を抱えた。
「所長――――シュン…騒がしくして悪かった…、一人で来る予定だったのにあの…女…」
リンデル様は疲れたのか所長の椅子にドカッと、座った!
「お疲れ様――――彼女…コレジバ公爵家の令嬢だね?見事な赤毛だったね」
「まぁな……レッドゴールド…と言うから会ってみたが、あの気性の荒さといい傲慢な態度はどうも俺は好かん!」
シュン様はサンドラ様と仲がいいのか…友人と話すように砕けた感じにしていたが――――私からしたら…その態度も赤毛の彼女と変わらず傲慢に見えてしまう。
