
❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「あの娘は――――いつからここで働いているんだ?」
サンドラは慌てて出ていったテイスの事をリンデル所長に聞く。
「は?テイス様ですか?――――いやいや、彼女は職員じゃないですよ!植物好きな公爵令嬢です!
白衣は成人のお祝いに私から先ほどプレゼントしたものです!ドレスじゃぁ土いじりしたら汚れてしまいますからね」
「は?」
サンドラはリンデル所長の意外な言葉に一瞬戸惑う。
「公爵――――令嬢?成人の…祝い?は?あれは…成人しているのか?って言うか…公爵令嬢!?」
サンドラも植物園の裏手で下着姿で水場で泥を流していたボロボロの少女が――――貴族だったことに驚き、更に成人していたことにも驚いた!
「おいおい――――あのペチャパイ…で成人って…///幼女趣味の多い貴族や王族の中に放り込んだら…すぐさま捕食されかねないレベルじゃないか?」
「ちょっと、サンドラ様…偏見が過ぎませんか?仮にも彼女はハジロ公爵家のご令嬢だ…そんな彼女に目をつける貴族がいるかねぇ?」
「は?!ハジロ――――公爵?!は?!」
ハジロ公爵の名を聞き、更に驚くサンドラに、シュンも驚く!
