
❇️片暉の残照❇️
第9章 城下町と嫉妬の炎
「そうそう、寒さに強い薬草を育ててる聞きました!見せたください!」
「了解です――――!」
三人は後ろで私を気にするザジを押し退けて薬草の区画まで案内してくれた。
「もう!先輩たち――――!テイスは俺と…」
「おいおい、ザジよ……身分をわきまえろ――――…お前の可能性はゼロだ!」
「そーだ!そーだ!」
「しかも、俺たちとテイス様は硬い絆で結ばれているんだ…邪魔するなっ!」
なんだか、四人のやり取りがおかしくて私はケラケラと笑ってしまった!
「テイス――――、そんなに笑わなくても!」
「ザジって末っ子みたいで、可笑しい!可愛い~!」
私も四人に混ざり兄弟のように笑いながら、白衣をなびかせ歩いた。
