❇️片暉の残照❇️
第2章 ハジロ公爵邸
バルコニーと言う表現が妥当なのかと疑うほど…広く開放感のあるその場所の下には、このお屋敷の中庭が一望できた。
色取り取りの花が咲き乱れ――――…シンメトリーで構成された中庭の植物たちは生き生きと風になびいている。
朝の太陽を存分に浴びた花や植物たちの香りに私は感動していた!
「おはよう、テイス殿――――…おお、そのワンピースとっても似合っているよ」
「お、おはようございます。素敵なお庭ですね……こんなの始めてで感動しています」
すると、頬笑むジムさんが私を朝食が並ぶテーブルの椅子に誘導する。
「さぁ、お腹が空いただろ?沢山食べておくれ。今日は手続きで色々と忙しくなるからね――――…」
「は、はい――――。あっ、眼帯…ありがとうございました…こんな質のいい眼帯は初めてなので緊張してしまいます」
「ハハハ…いいんだよ、テイス殿」
そして、私はハジロ公爵の真似をしながら朝食を食べた。
全てが美味しくて…食べ過ぎてしまう…。