
❇️片暉の残照❇️
第12章 お茶会と緊張の挨拶
紫のドレスを着ると――――…何だか…“冬のお茶会”と言うよりも…“秘密のお茶会”のようである。
真っ赤なドレスよりかは地味な色合いで、目立ちはしないが――――…何か私が着ると…“着られている”感が強い。
「こう言う色合いは…もう少し大人になってからの方が…いいと思うんだけど……」
紫と言っても…胴や腰回りなどのドレスの輪郭が厚手の布地だけで、腕や裾は白いレース等をふんだんに使った贅沢なドレスである。
「お似合いですが……やっぱり胸元はつけ襟をつけましょう」
確かに――――…そこは譲れない…。
「ここ…成長…するのかな?」
おかしいなぁ…お母さんは豊かだったから…大きくなったら私も…育つと思ったのに。
結局、つけ襟をつけてもらい…胸元を隠す。
すると、さっきまで大人っぽかったドレスが…私の歳に追い付いてくれた。
胸元が隠れるだけで…こうも印象が変わるものなのだど驚く。
「///ニコルは天才だね!」
「ありがとうございます!」
へへへと笑う私に、ニコルも真似してニヒヒと笑ってくれた。
