
❇️片暉の残照❇️
第12章 お茶会と緊張の挨拶
あの――――王様に似せるには…至難の技である。
上品で美しく――――そして、儚い雰囲気の持ち主…しかし、芯は強く王の品格を持ち合わせる。
民からも信頼され――――慈愛の精神で国を統べる王。
まぁ――――…ちょっと…おちゃめで可愛らしい人でもあったけど…あの人は、唯一無二の感じがしたなぁ~。
そんなことを思いながら…お茶会の挨拶を聞いていた。
目立たぬように後ろで聞いていたが、お茶の準備を始めるメイドさんたちが動き出す。
「テイス様――――お茶をお持ちしますのでお待ちください」
各お付きのメイド達がイソイソと主人のためにお茶を受け取りに行く。
ティーセットのカートを押して来るニコルの側で…一人のメイドがオロオロとしていた。
