❇️片暉の残照❇️
第17章 両親会議
「――――時期に…次の王を選抜する…私は、早々に王を辞任する予定だ…」
その言葉に、ハジロ公爵は驚き「レンティス王!?」と声をあげてしまう!
「――――王が選ばれる…この言葉に“撤廃派”も“レミ”も動き出すのではないかと思っている…
もしかしたら――――同時に…王宮の膿が出せるかもしれない…」
レンティス王の瞳が陰るも…怪しく光る。
「――――まさか…」
何かを察したのか…ハジロ公爵は息を飲む。
「我々の思い過ごしでなければ…いいのですが…。
その発表まで……テイス様を表舞台には出したくないのです…」
ポルギの表情も少し固くなる。
「――――私的には…このまま父と名乗らずいた方が…テイスのためなのでは…とも思うのだが…
///ティアナの残してくれた…奇跡だと思うと…彼女をこの腕で抱きしめたくてしょうがないのです!
わがまま――――ですね…。
彼女が一番大変なときに…私は何もしてあげられなかったと言うのに…
ティアナにも…テイスにも…父だと名乗る資格すら無いのかもしれない――――」
応接室にいる全員が――――レンティス王の切ない胸のうちが手に取るように分かり…言葉を飲み込んだ。
“奇跡の王”と民からは慕われ称賛される彼であるが――――…一人の男として…一人の父として…
何も出来ない自分を攻めているようだった。