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酔い醒めた後

第79章 幕開け

O.side

歓声が聞こえる…けど…

ここでは何を叫んでるのかはよく聞こえない

あれが全てブーイングだったら…

なんて…つい最低な考えが過ぎった

ふと暖かい物が手を握る

それは隣にいた翔くんで

優しくて安心する微笑みで…

その唇から慎重に選ばれた言葉を紡ぎ出す

きみの言葉は何時でも俺を魔法にかけてくれて

スッと落ち着く心と身体

言われた通りに見渡せば…うん…そうだな…

俺達2人っきりじゃねぇわ…

いつも護らなきゃって思ってたのにな…

いつの間にか身体も…でっかくなっちゃってさ…

こんなにも逞しくて優しいなんて…

そんな背中なんか…見せんなよ…

まだ始まってないのにさ…泣きそうになるじゃん

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