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風に吹かれて2

第42章 affection

青君の哲学、というか、美学を想う時、彼のダンスに対する向き合い方を思い出します。

誤解されることが多いようだけれど……。
デビュー前、踊りを極めたくて京都へ行き、約2年がむしゃらに必死で打ち込んで。やがて自分の中で極まったと思ったから満足して事務所を辞めようと考えた、というアレですね。

青君は自分の気持ちをいつだって誠実に伝えてくれるけれど、いかんせん、あまり言葉がスラスラ出るタイプじゃないからね(笑)。

この話が出るとその場にいるゲストだったりMCが茶化したり失笑したりしてさ。
所詮担当以外には推しの言葉の真意なんてどうでもいいんだろうな、って歯がゆかったものですが。



何故、20年の一区切りでグループを畳もうと提案したのか。
何故、それぞれの道を歩んでも良いのではないかと切り出したのか。

「ウチら、トップじゃん」と言っていたことからも、彼の目から見るとグループの活動が極まったから、じゃないのかな。

目の前にあることを一つ一つ、近道をせずに。5人支え合って真摯に向き合ってきて、結果が出せた。

だから……。

そういうことなのかな、と私は勝手に思っています。



一度は満足したダンスだけど。
彼は自分の伸びしろに気づいて、進化出来る、熟成していける自分を信じた。
踊りに対する情熱が戻ってきて、今の青君が居る。

これって今後のグループ活動にも当てはまる気がします。
もし彼らがまた5人で新たな一歩を踏み出すことを選ぶのならば、恐らくはこれまで極められなかった部分での表現になるんじゃないかな。

具体的にはより成熟した大人の表現になるのかなぁ、と勝手に思ってるんですが。

問題はファンがそれをどこまで受け入れられるか。



元のまま、何一つ変わらずに戻って欲しいと願ってるような気がしてねぇ。
大好きだった定番の曲、パフォーマンス、今まで通りの安定した彼らを愛でたい、って。

全部私の勝手な妄想なんで真面目に読まずにスルーして欲しいのですが。
私は青君の命懸けの決断が報われるよう祈っています。

この世で唯一変わらない真理は「全ての物事は変化し続ける」だそうなんですけど。
私も含めてですが、どうして人間は変化を嫌がるんでしょうね。

変わろうと挑戦すること。
変わるまいと抵抗すること。

どちらも愛おしいもの、ではあるんですけどもねぇ。


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