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風に吹かれて2

第43章 五里霧中

で、結果どうしたのかと言いますと、断りましたよ、勿論。
食い気味にね。

「500円貸して」ぐらいのところで、「私今から仕事なんで」と言って立ち去ったら、追いかけては来ませんでした。

背中で「あ、そうですか……」と仰る声を聞いて、この話は終わりなんですけど。
当然、心は千々に乱れまして。



何あれ? 厚かましいわー。つか、タカリじゃんね?
500円、って、500円玉持ってなかったらどうするのさ。千円札でもいいです、とか言うのか?
そもそも住所とか何とか言って書く仕草してたけど、お金をどうやって返すのよ。郵送?
なーんで親切にした上に個人情報をあんたに教えなくちゃならないのだ、冗談じゃないわ。
それで上手く行けば500円ならあげますから返さなくていいです、とか言われるのを期待してるわけ? だからそれをタカリと言うのだ、なーにが困ってるんだよ、てーげーにしろ、っちゅうの。

と心の中でブーブー言いつつ鼻息も荒く坂を登り切り出社しました。



てゆーか、なーんで私に声を掛けるのよねぇ?(笑)
確かにあの時、通りに居たのは私だけだったんだろうけど、あそこに来るまでに大通りを来てる筈だし、話が本当なら警察に行けばいーじゃん。

迷子の子供とか認知症の方が困ってる、とかならむしろ会社を休んで派出所まで同行したって別に良いけども。
そんなタカリ野郎に500円寄付するくらいなら、コンビニの募金箱に入れた方がなんぼか世の為人の為になる、っちゅうねん。えー加減にせいよ。

納まらないブーブーを会社で仲良しに聴いてもらいながら、これは私にも原因があるな、とも思いまして(;^ω^)



実は私はやたらと人に道を訊かれます。
それから、自分が客として入ったお店で店員さんと間違われて、お客さんから声を掛けられることもよくあります(笑)。

なんでなんだろうなぁ。
昔からそうですね。

一度なんて下着売り場でおばあちゃんから声を掛けられて、孫にブラジャーを買わなくちゃいけないんだけど、と相談されまして。一緒に選んでやって、商品を片手にレジまでお連れしたこともあるくらいです(何してんの)。



ま、それはネタなんですけど。

いやね、この話は実は前日にフラグが立ってたんですよ。
その回収が起こるべくして起きたんでしょうねぇ。

って、長くなるからフラグについてはまた次回にね(笑)。

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