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風に吹かれて2

第31章 僕が僕のすべて

今年も残りわずかになりました。
寒くもなく暑くもなく、冬の前の良い気候ですね。

私は仕事が落ち着いている時期に入ったので、日々まったりを堪能しております。
困っているお客様の対応をする部署に居るので、暇だと嬉しくって。
平和が一番だなぁ、と有難く思っています。



業務に余裕がある状態なので、ついボーッと頭の中で会話遊びをしたりして。
やってるうちに面白くなってきてハマりました。

そもそもは、その日、たまたま近くで業務を行っていた先輩男性が大変お喋りな方でね。
暇なもんだから私にメッチャ話しかけてくるんですね。

あ~、そうなんですか。
へぇ~。

そうですねぇ。
そういうもんですよね。

いいんじゃないですかねぇ。

というのを口に出しているうちに、目の前で一生懸命自慢話をしている先輩男性のお喋りとは別に、頭と心に最近見たいろんな言葉が思い浮かんできまして。

終いには彼の話はろくに聞かずに、いろんな想いに返事をしているような気持がしてきたんですけれども。





『やっぱり大好き』

ああ、そうですよねぇ。
うん。

『でも好きだから悲しくなる』

それはどうしてもねぇ。

『見たいと思っていたのに、見たくなくなった』

あぁ、そういう気持ちもね。出てきますよね。

『見てあげたいのに、素直に見られない』

そっか。
しんどいね。

『今、会いたい』

うん。
会いたいね。

『さみしい』

そだね。
さみしいね。

『会いたいって言っちゃダメ』

ゆっくりしてて欲しいもんね。

『ダメなファン。ごめんね』

そう?
そんなことないでしょう。

いいんじゃないかなぁ。
こうでなきゃダメなんて誰も決められないよ。

あなたの気持ちはあなたのものだもの。
ありのままでさ。

淋し過ぎて責めたくなっても。
いろいろと腹が立っても。
悲しくても。
楽しめなくても。

いいじゃない。
確かな想いは変わらずに一つあるんだから。

「ずっと想ってて」

って、言ってくれたでしょ。

心の中にネガティブが湧いても、ブラックになっても、全然何もダメじゃないです。



そんな風に会話しつつ、何か自分自身も慰められたような気がしました。

好きだから嬉しい。
楽しい。

好きだから悲しい。
淋しい。
苦しい。

どっちもアリですよ。

いいんじゃないですかねぇ。


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