テキストサイズ

異世界転生しなくても美女とハーレム

第3章 娘の幼稚園の先生

実は私は、極度の恐妻家だ。
華菜を怒らせると大変なお仕置きが待っている。だから、迂闊なことはできない。


……少なくとも、華菜の前では。


「何を言ってるんだ。僕がいつイヤラシイ目で先生を見ていたという言うんだ?」

「だって、先から先生の胸ばかり見てるんですもの……。わたし、恥ずかしいわ」

最愛の妻に恥をかかせるわけにはいかない。私は自分の軽率な行動を恥じた。



(今度からは胸ばかりでなく、お尻も見よう)


妻に恥をかかせないためにも、誓う私であった。



やがて、授業は工作の時間に変わっていた。
今日は、紙飛行機を作るみたいだ。


園児たちは、与えられた折り紙で紙飛行機の制作に没頭し始める。娘の莉奈も小さな手で折り紙を折っていた。

わいわいがやがやと騒がしい中、先生が園児を見て回って作り方を指導するのだが、莉奈には仁美がついていた。


莉奈の前でしゃがんでいる仁美の大きなお尻に、私はツンツンしたくなる衝動に駆られて、つい、顔を近づけてしまった。


その時だ!

小さく、小さく……。



 プスぅ~



と空気が漏れる音がした。



(こ、これは……)


ハッとして振り向く仁美と目が合う。が、仁美は顔を真っ赤にして私から目をそらした。
何事もなかったように振る舞う仁美であったが、動揺が背中に現れていた。


おそらく、今の音を聞いたのは、ユニークスキル『地獄耳』を持つ私だけだろう。


しかし、恥じらい多い乙女の小さな失態を、私は追及するつもりはない。


そのつもりだった……。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ